2004年9月

「秋に立つ」

 私が「面」でものを描く基礎デッサンという、今までの絵の「入口」への、具体的な批判として「線」の復権をとなえてから、丸7年がたちました。
 線で描くことがけっこうはやってくると、つい肝心のことが吹っとんでしまい「線だとカンタンに描ける」「線ておもしろいよね」などの声が聞こえてきます。
 自ら生きる姿勢があからさまに現れる「線」こそ、実は遙に困難な道のりの選択であったということを、どうか忘れないでほしいのです。
 「入口」としての「線」から入れば、必ずいずれ「面」と正面きってたたかいぬかねば、私にもあなたにも「出口」いや明日はないのです。
 夏におもいきり狂えたなら、秋には醒めた目にギラリ抜き身の「線」を持ち、そろりと立ちあがることにいたしましょう。


●今月のご招待作品
オーギュスト・ロダンの人体デッサン
(パリ・ロダン美術館)
 これははたして、線で面をねじふせようとしているのか、それとも面におびえる線のあがきでしょうか。考えさせられます。それにしてもすごいですね。
 先月のゴヤにつづき、またまた狂える巨人ロダンのスケッチのご紹介です。

コンコルド橋をのぞむ(パリ)(F6ワットマン+サインペンリブ)
「セーヌの眺めでも描こうかな」とロワイヤル橋を歩いたら、停泊している船の上に咲くピンクのゼラニウムが目にとまりました。橋の端に座って約一時間のスケッチ。色塗りは翌日です。

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